2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

苦痛を生きる理由は

10年ほど前のある時期のこと。ひとりでは到底抱えきれないほどの苦痛を、しかし、抱えなくてはならない状況下に置かれた時があった。そこで、私が、生きながら苦痛を背負うために取った方法は、内面を、物事を、とことん思考し分析することだった。そして、…

睡眠薬運ぶ水辺へと

荒れた気分が続いてしまった。暴れる感情を鎮めようにも、居ても立っても居られなくて、じっとしていられなくて、でもやみくもに動き回ったところで、何も生じなくて、強いて言うならば「無」が生まれるそれだけで、だめだ、あやふやなものを書くことすら腹…

孤独と感謝と勝利

孤独をより意識させることは共感だろう。しかし孤独それ自体のもつ悲観は、イメージよりもずっと少なくて、思いの外心優しく柔らかくそして温かな拠り所であると信じている。孤独は他者によって感ずるものであって、どれほど仲の良い、親愛に満ちた存在が身…

スピッツのハチミツ

スピッツのアルバム『ハチミツ』が好きだ。 はじまりから終わりまでのすべての曲から、都会らしさをまったく感じさせない。その代わりに、むせるほどの草木の匂い、淡い春の薄い緑の原風景がある。 あやうげなほどに澄んだ緑に囲まれて、まるで幼くなった愛…

水流のひとさじ

いま、‪伝えたいこと、晒したいことの出力を、ツイッターからブログへとすべて移してみたときに、私は、思ったよりも熱く熱く伝えたいことや晒したいことがあることを、そのあまりに多いことを、美醜含めて余りあるほどに感じた。また幾ら文章を書いたとして…

執着

もしも私に「恋をしている」、という状態があるならば、それは限りなく「執着」に近いだろうし、またはあらゆる可能性を「恋」に圧縮して閉じ込めているのだろう。もしも、それら不毛か有益かわからない行動を抜いたとして、相手の顔を浮かべたときに、その…

汗をかかない季節になって

汗をかかない季節になって、家から持ち出したペットボトル麦茶も減らずにちょびちょびと飲めるのだ。香ばしすぎる味はおそらく昨日いれたものをそのままバッグに入れていたからだろう。前に飲んだのが5時間前くらいのことだ。次に飲むのはこんなことを考えた…

〇〇の街のこと

私は、ただいま25歳で、その年月のほとんどを東京23区内で過ごした。25年間のおよそほとんどは、おなじ地域の、おなじ地区を1、2ど移っただけで、生活圏を変えずに生きていくことができた。それは、両親が当時小学生だった私への配慮だったのだろうが、あり…

『サンシャワー 東南アジアの現代美術展』にいってきました

ただいま、国立新美術館からの帰り道だけれど、んんん……残像が強い、どこまでも頭に残っている。『サンシャワー展』は、東南アジアの歴史と民族の自己意識に絡んだ展示が主なものだ。でも、民族単位よりも、鑑賞者がより小さく眼差したときに、見方はガッと…

譲り合う精神

電車に乗っていたら、だんだんと車内に人が増えてきて、しかし座席は埋まるかそうでないかを行ったり来たりしていて、次の瞬間には判断しかねないから、無難に座らず立っておこう、と決めた乗客も増してきた。そこに、新入社員風の女性の3人組が乗車してきた…

別れの曲なんて聴くものではない(聴く)

深夜ラジオを聴いていたら、くるりの新曲が流れてきた。あれ、くるりって、シングルかアルバムか出すんだっけ?好きなミュージシャンなのに、最近のことをまったくさらっていなかった。中か低温度のファンなのがちょうどよくて、でもさすがにこの低温度はい…

なんでもよくなっていいのかよくわからないけれど

‪とてもじゃあないがすべてを語れない話題を書いていく。だいたいの輪郭しか伝えられないことは、そもそもこの場ではなくて面と向かって伝えられる場面において持ち寄るべきではあるけれど、まあそれでも、まとまっているものはまとめて出荷したいからここに…

旅1日目:盛岡

ホテルの部屋が、予想通り乾燥していた。そのうえ、やや暑かった。カーテンを引くこともないほど厚いフィルムが貼られた窓の、縁にある取っ手を引いて、数センチだけ小さく開ける。ほんの少しの外気を取り込むはずだったのに、盛岡の街の音がよく聞こえる。…

流れ星のようなものを

‪私の伝えたいこと、さらには伝えるそのニュアンスが、今ある言葉と言葉のそのあいだのものであるから、どうしても言語の外での伝達に頼ってしまう現状だ。‬ ‪たとえば、私は「祈る」という行為に貴い想いを抱いている。「祈る」こととは、人を、人の幸福を…