2020-01-01から1年間の記事一覧

東京タワー

自転車の速度を緩め、高輪ゲートウェイ駅近くのセブンに立ち寄った。ホイップクリームつきのどら焼きを買って食べる。甘くて美味しい。それより口中が痙攣したような痛みさえ感じるほど、身体が甘さを欲していた。糖分がよほど足りていなかった。さっき、私…

2020/09/06

秋になった。 昼間の気温はやや下がり、あとは湿気が落ち着けば……と思う。 街路樹に風が吹くと、結構な数の枯れ葉が飛んでいくのがわかる。 湿った落ち葉の甘ったるい匂いを感じる。もう秋だ。 早かった。 昨年の秋から、いろいろなことがあった。 11月の祖…

New Normal の、ブルース

人の心は寄り添い合い生きていく。 しかし理想にすぎないと、 私たちは密かに嘯いていた。 私たちは、各々の価値観と善悪とすれ違う優しさまたは狂気の全てを、一瞬の表情に混ぜ込ませては、誰かに気付かれるのを恐れながら待っている。美術作品を2メートル…

ひとり・ひとり・ひとり?

自分が今まで当たり前に思っていた生活が、否応なしに変わらざるを得なくなった。自由に外に出られない。人に会うこともできない。ないないだらけの生活だ。茫然と立ち尽くすことになる、と身構えた。ところが蓋を開けてみると、意外な日々が待っていた。そ…

まったく大変なことになりましたね

まったく大変なことになりましたよ。ひと月前には誰が想像出来たでしょうか。COVID-19がここまで私たちを沈黙させるなんて。マスク越しでさえ咳ひとつ許されないこの雰囲気!会いたい人には、後悔しないため今すぐ会うのをやめよう、と、そんな価値観が共有…

それこそが、トランポリンガール、でしょう?

「女性が男性を持ち上げる」って、近代からずっと取り入れられてきたけれども、それはもう、生き物として矛盾しているのだと痛感する。凄まじい表現者がいたら、出来るだけいっぱいに表現してもらいたいし、その環境を全力で整えたいって思うでしょう。男性…

燐光

昨日がこれで、今日がこれで、明日はこれ、と見立てる一方で、私は何ひとつ手を出せない。それは自然科学のようで社会学のようで哲学のようで、またそのいずれでもない。自然が緑であること、ひとつの現象が発生したこと、命があり精神があることは、たしか…

冬影踏みしきる

どうも雨の日は身体にかかる重力が強まるもので、慣れっこになることなく27年もの月日が経った。そんな日の朝の山手線は1人あたりの容量が1.2倍に膨れていて、ドアの隅で圧縮袋の掛け布団みたいにくちゃくちゃになった私は、辛うじて上空を見上げた。柔く握…

早稲田・篝火

Uターンラッシュ手前の街の匂いから、冬を感じている。父の病院からやや歩くと坂を下った先に早稲田がある。日本有数の学生街も、まばらに落ち着いており、ひっそりとした住宅街の一部になっていた。 チェーンの喫茶が店を閉じるなか、歩く道中に純喫茶を見…