2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「美」のはなし

なぜ私は音楽を聴くのだろうか。 音が始まって数分間ガチャガチャ鳴り続け、 やがてサッと引いていき、 真っ黒な無音が数秒あったあとで、 またトチ狂ったような轟音がはじまって、 そう考えたら、 なぜこんなに、 私は取り憑かれたように音楽を聴いているの…

書き起こし「酔えること」

疲れたが、明日もあるし、いや明日は何の予定もないが、でも、予定に組み込まれないものも「予定」のうちのもので、起床から就寝までの連続した「予定」が、いつまで続くとなると、生きているうちか、でも救いがあると思えるのは、お酒を飲むと酔えるわけで…

美味しいビールを飲んだ夜

はじめてひとり飲みというものをした。新宿西口の思い出横丁。なぜよりによって、人生初のひとり飲みを、そんなディープな場所に選べたのか、自分の意外な胆力に驚く。 いや、でもたしか、そう、あの日は日曜日で、誰も飲む雰囲気でない街の表情で、その中で…

母と造花と酔い

私は私の文章が好きで嫌いだ。天邪鬼なだけなんだが、好きになっては突き放す、を繰り返す。痛ましい気になるのは、私によって生まれた文章たちに向けて、だ。私が母であるにもかかわらず、母に愛されない子はどのように青々しく生きていけるっていうのだ。 …

「突発的」のこと、突発的な書き手のこと

※とにかく自由に書きたかった。セオリーとはズレた書き方ではあるが、自分自身で許した。許してほしい。 足跡3つほど手前のころに、脳細胞が活発化した時期があった。小説が(つくり話が、知らない人の話が)書きたい。それだけを頭が占めていた期間のことだ…

哀しみを薄墨

哀しみの一文に心奪われるのは、 今まで、私が、哀しみ、というものに過敏だったからなのだろうか。この哀しみを、蓄積した哀情を言語化することにためらいがある。 それは、言語化によって取りこぼされる哀しみが、 全体の大半を占めているからだ。 (この…

折々のことば

「三日坊主」の言葉もあるなか、私には継続して何かに取り組んだ、という経験が乏しく、新しい物事に手を出しては、本当に3日でやめてしまう。しかし、今日まで続いていることが、2つある。ひとつは、3週間続き、もうひとつは、2週間を終えたところだ。「し…

夏のアイコン

真夏に鳴く蝉さえも、木陰に入り暑を凌ぐありさま。うるさいけれど暑苦しくない、絶妙なミンミンの音を聞いたのは、昨日が初めてのことだ。どこからか、みいんみいん……と、たよりなくか細い音で、1匹の蝉の鳴き声が、窓越しに聞こえてきた。しかし、やがてぱ…