2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

個人の判断による人身事故

今日も人身事故があった。 その報せに胸を痛ませながら、たった今乗り込んだ車両を降り迂回路の検索をかけている。 でも、仕事終わりに急ぐ場所も約束もない。スマホを仕舞い、どうしよっかな、と考える。 ************************…

『アリッサのこと』土井政司・著

変わらない日々が何遍も続くと、いつだったか、誰かから約束されていたはずだった。それは毎秒ごとに褪色を重ねる「生」から目を背けるための対処療法でしかなかったというのに。『アリッサのこと』は表題作と『市街地の犬』の2作が収録されている。サッと読…

敬虔

もともと、キリスト教系の大学に通っていた。 そこに本格も嘘もないんだが、あの大学は実際本格的で、敷地の中心に新築のチャペルが擁してあった。中に足を踏み入れると、その足音の一つひとつがチャペル内によく反響する。学生の頃にはちゃんと気づかなかっ…

次の季節に行けるか

桜の花が散りつつある。地面に敷かれた花びらが風に吹き上げられ、やがて洗われる。淡い色の隙間から若葉が顔を出し、新しい季節へとぐんぐん進んでいく気概がある。日差しも強くなり、長袖をたくし上げる。日焼け止めを塗らないと。 いつもより早く電車に乗…