2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

パティニール・ブルー

美術に疎いが興味の感度はいっちょまえ、な私は、毎日の予定が何もないことをいいことに、平日の東京都美術館の敷地に足を踏み入れた。煉瓦の赤土色が映える館内を、慣れない者らしくおろおろしながら、ふらついたまま「『バベルの塔』展」へ。 ブリューゲル…

田園風景

郊外電車に乗って、埼玉県内のとある街へ。大宮を出ると、ビルや住宅の密度がゆっくりと薄まっていき、3駅ほど抜けると、辺りは緑に囲まれた。やや傾き始めた日差しをまぶしく反射する水田。目線をあげると連なりそびえたつ鉄塔。関東平野の果てにそびえる山…

最高気温30℃を翌日に控えた20時前

暑くもなく寒くもなく。半袖でもなく長袖でもなく。このくらいが丁度いい。偽物でない夏が来る。その前に梅雨も来る。不意打ちの長雨。時折の雷雨。晴れになるほど、または天気が荒れるほど身体が元気になる私とすれば、中途半端な雨量で攻めてくる梅雨が好…

2355

深い考えなしに見ているEテレのなかでも、心の底から頭を使わなくていい素敵な番組、それが2355。癒しの5分間。何の意味もない。細野晴臣が歌うテーマ。最高。 一時期、高校生のころだったかな。姉妹番組、0655も見ていたんだけど、無意識下で「いや、その沼…

コンタクトレンズ

コンタクトレンズを外すときの、指が眼球に触れる、あのぞわっとする感覚。禁忌に触れたかのような背徳感。あと単純に、「いたそう」の気と闘う恐怖。で、はずれたとわかるや否や味わう爽快感。指にはりつく乾いたレンズをすぐにゴミ箱に捨てたくなる感情。 …

2017/05/24

湿った夜風が、レースのカーテンをふっと揺らす。レースの格子のあいだを通り抜ける。部屋にふわっと入り込む。多少の湿気は、カーテンが絡めとってくれたのだろうか。湯船からあがったばかりの身体を、涼風が撫でていく。ある年の12月によく聴いていた曲を…

2017/05/23

威勢よく眠ろうとしたが、そもそも元気なころに意識を飛ばせるはずがない。いくばくかのチャンスはあった。魂が身体から抜けはじめた感触や、両手両足が、時間をかけて透明になっていく実感もあった。それなのに、いやそういう局面だからこそ、ついつい欲が…

2017/05/21

とにかく暇をしているときがある。ただただ何もすることがなく、手持ち無沙汰がピークに達したようなときだ。時間をドブに捨てているように思えるも、それでもせっせと時間を手放し続けるあの気だるさ。しかし心の底では、しなければならないこと、課されて…

2017/05/15

5月も半ばに入った。天候が揺れに揺れる。暑さに適応する準備をはじめた途端、肌を逆なでするような寒い日々が訪れる。中間がない。ちょうどいい日がない。おかげで、のどの奥に若干の違和感がある。頭もくらっと揺れる。風邪の手前も手前の体調だ。若干怯え…

2017/05/08

とある日、コーヒーを淹れた。コーヒーを淹れてみた、という言い方が正しいかもしれない。 日も暮れかけたころのこと。夜が片足を突っ込むころ。ふと、「コーヒーを淹れよかな」と思い立った。しかし、カフェインに弱い私が、そんな時間にコーヒーを飲んでし…