母と造花と酔い

私は私の文章が好きで嫌いだ。
天邪鬼なだけなんだが、好きになっては突き放す、を繰り返す。
痛ましい気になるのは、私によって生まれた文章たちに向けて、だ。
私が母であるにもかかわらず、
母に愛されない子はどのように青々しく生きていけるっていうのだ。


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造花として葉に触れたら生花だった。
いま、私のしている行為は、
そうした乱暴さ、軽薄さ、尊厳のなさを伴っていて、
私は日々をどうやって生きているっていうのだ。

音もなく姿もなく夜の街に入り込みたくなる。
缶ビールでも買えばいいか。お酒だって飲んでしまおうか。
缶に汗が吹き出し、その水玉でさえも温くなっていく、
その経過を指の感覚のみに受け取りたい。
酔っている私を除外しながら、
誰かが傍にいるような、
(横にいるだけで伝う肌の温度もないけれど、)
ただ傍にいることを信じることが、純粋な愛情であればいい。
温い缶を支える指先のみに感覚の全てをつぎ込みたい。