手紙

手紙を書く。
はじめの一文字をどうするかを考えながら、
もらった手紙をふたたび読み返す。
決して遠くはない場所にいる人には、
会えばいいものを、LINEで送ればいいものを、
わざわざ手紙にしたため、切手を貼ってポストに投函する、
そんな手間をかける必要がある。



手紙を書き始める。
こういう文章は、勢いと直感に任せるのがいいのだ。
そのほうが却って伝わるものもあるのだ。たぶん。
すらすらと文章が乗り始めて、
気が付けば、当初思いつかなかった話題も便箋には載っている。
書き直しながらも、たくさん書いてしまう。
多すぎるぶんは、書き直して削る。

ただ、少し思うことがある。
手紙というのは、
たくさん書いたとしても、短いとしても、
どのような内容であっても、
「貴方はお元気ですか、私は元気です」のひとことなのだろう。
その気持ちだけで手紙、文通という文化が生き残っている、
そう思うと、ますます手紙を送りたい相手が増えていく。
実際に会って気付かないものを、手紙で気付くこともある。

 

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雨が降り、気温も下がるようになりました。
どうか風邪を引かないように。