ミッドナイト・コーリング

当たり前のことだが、きみを好きな人もいればきみを嫌いな人もいるだろう、しかもそれは、なんとなく、かつ直感的に。でも、理由はたったそれだけなので、それはそのまま、そうあるべきだ。私もそうならきみもそうだ。当たり前のことだが。


夜になって哀しくなることは誰にだって起こり得ること、深夜に人に話しかけたくなるのも当然。寂しさは生と結ばれ、虚無を得るくらいなら存分に寂しがったほうが健康だ。おそらくは、きっとおそらくは骨太に生きられる。

堕ちそうな真夜中、私はそんなことを考えて、膿のほとんどを流している。ふりかもしれないね。でも、それで私は、誰にも呼びかけることなく、そのまま眠りに落ちていける。

こんな時間はみんな寂しくて、みんな堕ちかけていると思うと、本当に、「夢ではせめて楽しく会おう」とかくさいこと考えながら眠れる。離れた人を同じに感じられる唯一の方法かもしれないね。不思議すぎる。

で、最初に書いたことはなんだったんだ、って。
きみが好きな人は、きっとそんな身も心も片っぽになった深い夜に、なんとなく、なんか、連絡したいな、と思いスマホに手を伸ばしかけたものの、しばし固まってからまた布団の中に潜らせた人だと思ったのだ。おもしろくて、不思議なことだね。


みなさま、
今夜もよく眠れますように。