診察待ちのメモ

いくら晴れていようと、
梅雨時は梅雨時なことはかわりないので、
やはり皆、
どこかで滞留する心地を抱いているのだろう。

今日の病院の診察待ちは、
気が立った口調に、
気が立ったクレームを
受付の人にぶちまける人が多かった。

普段は、そのような人もおらず
待ち時間の長さから殺伐としながらも、
比較的穏やかな空間なんだけれど、
たぶん、気候もかかわってくるのだろうな。

今は晴れているものの。



今日は、
ぶかぶかに感じて
長らく敬遠していた靴を履いてみた。
拍子抜けするほどに足にぴたっとあっていた。
あれ?

歩くときも、
階段を上るときも、
立っているだけでも、
足から外れる心配ばかりしていた靴が、
今はどうしてかフィットしている。

靴紐をしっかり結んだだけで、
様変わりするものか。
よかったよかった。



いちごミルク味のキャンディに弱い。
弱いことを知っているから、
進んで買うことはない。
でも、避けているわけではないため、
あるとき友達からわけてもらったりする。

子どもみたいな包み紙を開いて、
透明ではない、乳白色の飴玉を口に含み、
舌で転がしながらじわっと味わう、
あのすべてが好きだ。

ミルク味のキャンディとは似て非なるものだ。
あっちは、ちゃんと濃厚な味わいをしている。
私がほしいのは、
ややうすめたような風味の、
いちごもミルクも近しくはない、
ただ遠くもない絶妙な味わいのアレなのだ。
屈折していてめんどうくさいが、
飴が舐めたいわけではないんだ。

「いちごミルク」なんだけど、
少し、水がはじくような甘みがあって、
それが、とても夏に似合うと思った。



そうなんだ。
呼ばれないんだよ。
診察待ちも、3時間。