2022/06/17 金曜日の横浜

1週間の仕事を終え、右肩に解放感、左肩には疲労感をそれぞれバランスよく乗っけてオフィスを出た。


皮膚炎になってから、退勤後の楽しみだった銭湯巡りはしばらくお預け。
代わりに、馴染みのない街を歩くのが楽しみになった。
日頃から湯に浸かり芯から温められ、サウナでよく汗をかくようになった身体は、ウォーキングにはちょうどぴったりのアップ運動はしていたわけだ。


横浜まできた。
横浜ブランドは逞しく、その価値といえば東京を優に超えるだろう。
が、それはイコールみなとみらい〜赤レンガ〜山手一帯の風光明媚な港町の風情を湛えるエリアを指す。「ヨコハマ」以外9割以上の「横浜市」は、山と谷の街だ。急峻な坂を上ったり下ったりな丘陵地帯の山肌に沿って住宅地が所狭しと敷かれている。ただ、その風景も、それはそれでなかなかサマになる。


だいたい、10km歩く。
約2時間。
同じペースでせかせか歩く。
無心で歩いたり、有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMERを聴いて、笑いを堪えたりしながら歩く。
有吉さんも歩くのが好きで、10キロ20キロは余裕だそうな。
そういえば、俺の好きな伊集院光さんも、ウォーキングの話をラジオでしていた。


みなとみらいに着いた。

ショッピングモールのベンチに腰掛ける。
最近できたロープウェイは悠然とムーディーに空を行く。
ベンチの後ろでは、カップルが楽しげに行き交っていた。


日の暮れかけて、西の空が少し陰ったオレンジに染まる。
雲が全体に薄塗りされていて、"もや"のかかった色味。
その手前には、ランドマークタワーと観覧車が、シルエットとして主張している。
背後には、ライトアップされた赤レンガ倉庫。
振り向きざまに、海風がへばりつく汗を拭いていった。