脈動

もしも私が電車に乗り、
対面式の座席に向かい合う相手が私自身だったら、
私としては、向かいに座る私と仲良くなれるだろうか。
と問うたときに、
もしかしたら、それはかなえられない願望ではなく、
思いのほか呆気ないほど、意気投合できるかもしれない。

と、目覚めてすぐの、起き抜け特有の、
いまだ水が固まらない、柔軟で純粋な心境のときに、
静かにそう思えた。
私は私といい関係が作れるやもしれない、
と小さく信じられたことが、ぽっと火がともるように嬉しい。

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昨日のことは夢のような時間で、
いや夢でもいいとさえ思えたこともあったのだが、
しかしその日を記録した1本のフィルムが手許にあるから、
そのフィルムが昨日と現在とを結び現実のものにさせる、
ような気がする。

昨日は、優しい写真が撮れた確信がある。
またそうやって強く感じられることが、私の人間的な魅力だと思える。
それでいて、私のもつ大切な側面を信じてくれる人がいる。
その繋がりは思うより広大で強く、
驚きながら、正直戸惑いながらも、
いやだからこそ、だからこそだな、
私自身を疎かにしていい理由がなにもないな、
と静かに納得ができたのだ。

 

少しだけ矛盾する書き方になってしまうが、
私は、今はいつまでも大丈夫だ。