緑の並木

自分の思うより、私は体力がないことを知った。
就労移行施設での体験で、電卓での計算を1時間半こなしたあと、
ふいに、疲労とめまいに襲われてしまった。
ええ……こんな作業だけで……?


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緑いっぱいの中野通りを、赤い車体の関東バスが走り抜ける。
たった数か月前までは、車内に浸食していくかのように、
一面に桜が広がっていたのになあ。

30℃の気温と繋がって、頭のなかで再生される映像は、
しゃりしゃりのかき氷と甘いシロップ、
青いホースから放たれる玉のような水道水。

バスを降りると、
梅雨の合間にも加減があんだろうよと悪態付きたくなる陽気。
外気には熱が絡み、
日差しは焼くように照っている。
じりじりと迫る太陽から逃れるように、日かげをさがす。
並木道の地面に写される木漏れ日の、染みのような影がたよりない。
弱々しい風のなかに熱が増していく。

6月も下旬になっていた。
スマホのホーム画面を頻繁に見ているくせに、
いまさら、「6月20日」の表示にぎょっとした。
海開きの予定日が、夜のニュースで流れるようになった。
いよいよ夏に入る。のだ。

あした、ソール・ライター展、行きたいな。
雨が強く降るらしい。