2022/08/08 木村リュウジ

今日は友人の誕生日だ。
私にとっては大学の友人。
外に目を向けると、
彼は新進気鋭の若手俳人


木村リュウジ。


彼の俳句とその姿勢や気概は、
いつか、俳句界の未来を開拓するような
才能ある俳人へと育ってゆくだろう。
そんな期待さえ上がる、その人生の一歩を、
彼は踏み出そうとしていた。



彼は宮崎斗士を尊敬していた。
俳句は私は明るくないが、
彼と会うたびに、宮崎斗士の俳句の良さを語ってくれた。
惹かれる句ばかりだった。
憧れ、挑む心が芽生える気持ちもよく分かった。



大学卒業から、彼は神経症を患い、闘病した。
彼のブログには、病状が克明に記録されている。
ryjkmr1.hatenablog.com



特筆すべきは、感情に訴えることのみに終始せず、
むしろなるべく除けていき、必要な情報を正確に伝えることを意識している点だ。
正しく情報を伝えることの価値を、論理の力を信じる彼の姿勢を体現していた。



感情が心に訴えるが、
人間に必要なのは、論理ではなかろうか。
感情あっての論理というが、
論理あっての感情なのではないだろうか。

と、訴え続けていた彼が、心を患うというのは、一体、どれほどの苦しみだったのであろうか。


最後に会ったのは、1年前の8月9日。
写真を撮って欲しい、と依頼され、大学敷地裏手にある自然公園で彼を撮影した。
若々しく爽やかな表情をしていた。
その後、新人賞記念の『海源第32号』が自宅に郵送され、
掲載ページには、彼らしい写真が載っていた。



彼の所属していた俳句結社『海源』には
今は亡き木村リュウジへの追想が、彼の俳句とともにホームページに公開されている。
執筆者は、彼が憧れ焦がれた宮崎斗士。
液晶画面の前で、首を垂れる。


kaigen.art