まったく大変なことになりましたね

まったく大変なことになりましたよ。

ひと月前には誰が想像出来たでしょうか。COVID-19がここまで私たちを沈黙させるなんて。マスク越しでさえ咳ひとつ許されないこの雰囲気!会いたい人には、後悔しないため今すぐ会うのをやめよう、と、そんな価値観が共有される時代が訪れるなんて!
しかもこの'20年代に、社会が根底からひっくり返りすぎることなんて、戦争以外にあったのですね。センセーショナルすぎて、ポスト・コロナの時代に期待感を抱いてしまうのは不謹慎でしょうか。

この状況で、多くのことを知りました。
在宅勤務の素晴らしさに驚いたり、室内からストレスフリーにする大切さを知れました。部屋を掃除するとか、いらないものを捨てるとか、あとよし言葉とかですね。

が、いちばん思い知ったものといえば、外の風の淡さや陽射しの柔らかさ、ケーキショップから漂ういい匂い、東京特有の煮詰めたような雑踏が心のちょっとした隙間を埋めてくれていたこと、近所のペルー料理店の店主さんがいつも退店の時外まで見送ってくれる優しさ、毎日出勤するルーティンのハリの強さ、マイデスクの佐久間式ドロップのそこはかとない甘さ、雑談中、ちょっと毒気を入れたい時の燃える感じ、退勤してオフィスを出た瞬間の五反田の街並みの気風の良さ、友人とのちょっとしたつもりが数時間の飲み、ちょっとしたつもりが0:45発保谷行き終列車……


つまり、私が当たり前に流していた当たり前の生活を、今とっても平然と反復したい思いの強さ。この欲求があまりにも強くて、持て余して仕方ない。寂しいです。


しかし、必ず生活は戻ります。
根拠があるとかないとか、そんな話以前に、私たち人間はそうせざるを得ないんです。生活にノスタルジア感じすぎて禁断症状が出まくる弱い生き物ですね。


みなさん、またお会いしましょうね。