たとえばコーヒー、あるときはカモミール

カフェインを摂りすぎるのは身体に良くないそうだ。煙草と似たような作用で、やめられなくなるか、やめたあとに禁断症状が起こる。たとえば、震えとか目眩とか。



とはいえ朝に飲むコーヒーは格別なので仕方ない。
職場で、給水機から簡易的に淹れたコーヒーの香りもまた筆舌しがたいので、仕方あるまい。
夕方、仕事終わりの疲れを飛ばすその苦味はプライスレス、仕方ない。



シャキッとしたいときも、なんだか漠然と悲しいときも、ただ単に手持ち無沙汰なときも、どんな状況にもコーヒーはよく似合う。
様になるから飲んでいるわけではないつもりだったが、いや形から入るタイプには良くありがちなことだろう。その時々をコーヒーで様になるなら験担ぎしても罰は当たらないでしょ、みたいな。


すべては、シャキッとパリッとして再び生活に戻るために。


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ただし、夜に飲むコーヒーはタブーだ。なぜなら眠れなくなるからだ。
それが寂しくて堪らないときがある。夜中、ふと寂しさが高じてコーヒーを飲みたくなり、結局明日のこともあるから飲まずにいるが、「なんだこの一連のやつは」な感傷が何乗にも掛け合わされて、しみったれったらこの上ない。

そんなときに飲むカモミールは、たいへん気分を和ませる。しかもその時になって、心をいっぱいに詰め込んでいたことにはっと気づくのだ。


ちょっとした無理の積み重ねは、塵や埃の小ささとはいえども、いやだからこそ、気付いた時には満杯になる。この世の中はスモッグまみれだ!
皆さんご存知の通り、塵や埃を捨てず生活するのは並大抵のエネルギーではない。正常ではやっていけない。ともすれば、スモッグまみれのこの世の中には殊の外、正常な状態でない人が多くいるんじゃないだろうか。


どんな状況も様にさせるコーヒーと、いっぱいになった心を解すカモミール

だから、夜中にコーヒーを飲むのは控えてみよう、カモミールにしてみよう。
そのあと、どうせ眠れないだろうが試しに布団に潜ってみる。それでやっぱり眠れなくて、さらにもやもやした心情になりつつ、疲れにより自然に涙が流れた直後には、ちゃんと眠りにつけている。よりによって爆睡だろう。


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1日のなかには、人っぽい、愛おしいこの一連の行動が必ずある。これを1週間、1ヶ月、そして1年と積み重ねて、結構しぶとく生きている。


年齢とは、人っぽく愛おしい行動を重ねた証なのだ。


私は27歳です。
貴方は何歳ですか。