「性的」とできあがった詩集について

‪私は「性的」を知りたい。‬

‪この欲求はいつまでも尽きず、なにか創作としてかたちにしたい、と画策していた。が、なかなか書けなかった。「性的」を書こうとすると、なにを書けばよいのか、わからない。ただ、なんとなく、解釈を拡大すると、すらすらと書けることに気がついた。‬
‪それは、「街で得るもの、得るふりをするもの」だった。「性的」を、言い換えること、顕在化、可視化、対峙、なんの言葉でもいいが、それが可能なのは、街だけなのだと私は思う。街、とくに、東京という街に身を置く、それだけで、自身の「性的」なる漠然としたもやもやを、まじまじと見つめることができる。したいか否かにかかわらず。

だから、まずは、街について書こうとしてみた。ここまで書いたけれど、ほとんど動機は「なんとなく」だ。でも、書くうちに、目標地点への欲がではじめて、自制と誘導の緩急をつけながら、なんとか、なんとかした。その試行錯誤によって(と言いながら思ったより創作の憑依がうまくいったが)はじめての詩集が出来上がった。‬

‪もう、愛おしい。両腕で抱きかかえた。正直、詩集なんて、書けるとは思わなかったから。ひょっとして、創作なんて、いつまでもできないかもしれない、と、半ば絶望的な気分になって、モラトリアム第1期、こと大学時代を終えたから。

街のなかで、ひとりひとりの「性的」の輪郭がみつかったら、とても幸せです。いつか手にとっていただきたい。いつか、お願いします。‬